Die with Zeroの感想

Die with Zeroという本を読んだ。読んだというか正確にはAudibleで聴いた。Audibleの良い所は、ちょっとした合間にワンタッチで、あるいは何かをしながら、ながら聴きができることだ(自分はよく洗い物をしながら、あるいはランニングの最中に聞く)。その分さくさく進むが、記憶の定着も弱い。読書の、反芻しながら読む、気に入った部分を繰り返し読み、脳裏に焼き付かす、ということが、Audibleでは非常にしづらい。ブックマーク機能はあるがいまいち。ということで感想をここに記すことにする。

 

Die with Zeroは非常に面白い読み物だった。人生は経験の合計で作られるという言葉、体験は思い出の配当。自分の身体が動かなくなったときに昔の体験が配当という形で自分を過去に体験した素晴らしい記憶を呼び覚ます、という点は心が揺さぶれた。またお金によってもたらす体験はどんどん効率が悪くなる。例えば若い内のスキー旅行では20回、30回と滑れたが、年を取った後は10回も滑れないかもしれない。また旅行後は筋肉痛で苦しむかもしれない。そう考えると経験や体験はできるだけエネルギーのある若い内に行うことが良いだろうという考えだ。

 

今僕は将来の引っ越しを見越して、自分の生活を切り詰め、未来の自分のためにできるだけ資産を最大にしようとしている。ただ未来の自分のためにお金の量は増えたとしても、未来の自分がそのお金によって得られる体験の量や質は大きく減ってしまう可能性がある。Die With Zeroは時間経過によって体験の価値が減少することを示唆してくれた。

 

自分は今年34歳。人生100年時代と考えると、まだまだ半分以上あるが、自分ももう若くない年齢。あと精力的に活動できるのも15年程度だろう。そう考えるともう人生折り返しをとっくに過ぎているともいえる。

 

やりたいことはたくさんある。